真珠養殖の手順

母貝の育成
1.人工採苗 1年目、2~3月
近年では天然母貝が不足になったため、アコヤガイの成体の雌雄を用意し、採精、採卵を行い人工交配ののち人口採苗を行います。
2.稚貝の育成 4~5月、沖出し
孵化した稚貝は、15~25日間ほど水槽の中で浮遊生活を送った後、定着生活にはいります。定着生活にはいる頃、「沖出しカゴ」に入れて9~10月頃に殻長が約10mmになるまで海で育成します。
3.母貝の育成 2年目
沖出しした貝の成長に合わせて大きい網目の「養殖カゴ」に入れかえ、それをイカダからつるして母貝の育成を行います。

母貝の仕立て
「抑制・卵抜き」 2年目、10~11月
核は生殖巣の中に挿入されるため、生殖巣が卵でいっぱいの状態では挿核手術が困難になります。そこで、人為的に貝の生理活動の調整を行ないます。
「抑制・卵止め」とは、母貝をカゴで窮屈な状態で育成し、挿核まで活動を抑えて卵を成熟させない方法です。
「卵抜き」とは、母貝に刺激を与えて産卵させる方法で、5~6月に挿核する母貝にその方法を用います。

「貝立て」 3年目、4~5月
挿核手術の際、開口器で無理矢理に貝殻を開けようとすると、貝の閉じる力が強いために貝殻が割れたり、貝柱が切れたりします。そこで、挿核手術をするとき、貝殻をスムースに開けるために用意しておく作業です。
「貝立て」とは 、挿核の数時間前から貝立用の箱の中に、アコヤ貝を隙間無く立てる作業です。貝殻を開いて呼吸するため、こうして数時間にわたって貝の呼吸を苦しめた状態で、網カゴに入れて海中に吊るします。挿核手術の直前に、数個の貝を箱から抜き取るか、海水を満たした水槽内に貝を解放します。すると、貝は呼吸するために貝殻を開くのです。
「栓さし」
「栓さし」とは、母貝の貝殻を開けたままにしておくため、貝殻にくさび形の木の栓を挟む作業をいいます。

ピース切り
ハサミを使い外套膜を切り取ります。外套膜が真珠層に接している面(表面)を上向きに置き、分泌腺を中心に短冊状に切り出したものを2mm角に切断し、ピースを作ります。

挿核手術(核入れ) 3年目、5~6月
アコヤ貝(雌雄)の生殖巣までピースと核を挿入します。
1. 開口器で貝殻を少し開き、固定します。
2. 生殖巣が確認できるまでヘラで鰓(えら)をよけます。
3. メスで収足筋の付け根の生殖巣の表面を少し切開します。
4. 切開口から生殖巣にピースと核が入る導入路をつくります。
5. ピース針でピースを挿入し、続いて核挿入器で核を移植します。

挿核手術

手術貝の養生・沖出し・管理
「養 生」 3年目、6月
挿核手術を行った母貝(手術貝)が、体力を回復するまでの間、養生します。
10~20日の養生期間、手術貝をゆったりと「養生カゴ」に入れて、穏やかな海で安静に保ちます。
「沖出し」 3年目、7月
手術後、養生して体力が回復したアコヤ貝が体内で真珠を育てるため、沖合の「真珠イカダ」に吊るします。
「管 理」 通年
アコヤガイを養殖期間中、貝の掃除・養殖カゴの入れ替えなどの管理を、繰り返して行います。冬に水温が下がりすぎる地域では避寒といって暖かい漁場へ貝を移動します。

浜揚げ 真珠の収穫 採苗から4年目の11~1月
「採集」とか「貝剥き」などと呼ばれます。
ナイフで貝柱を切って貝殻を開き、貝の身を剥きます。それから真珠を取り出します。
沖出し